口臭があると言われたら。 口臭は毒ガスで、スメハラの原因にも!

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普段、口臭で嫌な思いをしていても9割の人は相手に指摘できずに我慢しているそうです。逆に言えば、周りの人から指摘を受けないからといって、私たちに口臭が無いとは限らないということです。コミュニケーションを円滑に進めるにも各自が自分の口臭に関心をもつことは必要だと思っています。

口臭があると言われたら?

口臭には色々あります。
・喫煙者の、「タバコ臭い!」
・アルコールを飲んだあとの、「酒臭い!」
・ニンニク料理を食べたあとの、「ニンニク臭い!」

でも、これらは いわゆる「口が臭い!」というのとは次元が違います。
もし「口臭がある!」 「口臭い!」と言われたなら、それは、口の中の歯周病菌が 人を不快にさせる揮発性硫黄化合物(硫化水素やメチルメルカプタン)を大量に発生させているんです。

口臭物質の毒性


口臭の原因物質である硫化水素は、温泉や火山などでも発生し、時々死亡事故を起こします。青酸ガスに次ぐ毒ガスで、普通の口臭濃度の0.3ppmでも気分が悪くなるといわれています。
さらにメチルメルカプタンは、低濃度でも生体組織に対する為害性があり、「毒物及び劇物取締法」などの各種法律により毒物に指定されるほどの強力な毒性を持っています。その毒性は青酸ガスに匹敵するとも、それ以上とも言われています。
そのような毒性を持つので、メチルメルカプタンは、歯肉の細胞のDNA合成,タンパク合成,コラーゲン合成を阻害するなどして歯周病も悪化させます。
このように、歯周病菌による口臭は毒ガスと一緒なんです。
このような毒ガスですので口臭は 歯周病の原因だけでなく、体にも害があり、癌の発生原因にもなっています。たとえ微量だとしても、このような毒ガスが口の中に存在することは好ましいことではありません。

 

口臭の原因

放置してある虫歯があると臭いの原因になるときがありますが、この場合は 歯の神経が死んで腐敗しているのに治さないで放置している場合が殆どです。本人も虫歯を放置している自覚があるはずです。ですが、そこまで虫歯を放置している人はそう多くはありません。

人を不快にさせる口臭の殆どは、歯周病菌が作り出すメチルメルカプタンという物質によるものです。
歯周病菌は、様々な揮発性硫黄化合物(硫化水素、ジメチルサルファイトなど)を作り出します。硫黄(イオウ)と言えば温泉。あの卵の腐ったような臭いですね。
メチルメルカプタンはこの中で一番強烈で、血生臭くて、魚臭い、野菜が腐ったような臭いがあり、エタノールの50万分の一、アンモニアの1000万分の一、というほんの少しの濃度でも臭いを発生させます。

歯周病を持っている人は、歯周病菌が産生するメチルメルカプタンの比率が高くなるので歯周病に特有な強い不快臭を発生させてしまいます。

口臭の予防・対策
 
多くの日本人は歯周病を持っています。ですが、普段 強烈な口臭を発生させている人は多くありません。強い口臭がある人は、それだけ歯周病が進んでいて、普段の歯周病ケアが全く出来ていないんです。
口臭対策
強い口臭がある人は、歯間ブラシを使っていません。歯間ブラシを使うようになるだけでも 口臭は激減します。デンタルフロスや糸ようじ では効果がありません。歯間ブラシは口の健康に絶対に必要な道具です。
歯間ブラシを使い始めた最初の数日は出血で血だらけになると思いますが、出血に構わず歯間ブラシを続けることが大切です。逆に歯肉から出血があるならば、歯間ブラシを 歯の間に通すだけで大量の出血がある歯肉に危機感を持った方がいいです。
さらには、歯肉の中(歯周ポケット)でも 歯周病菌が大量に増殖しているはずなので、歯医者で歯石の除去や クリーニングを受けた方がいいです。
この歯間ブラシと歯のクリーニング以上に効果的な口臭対策はありません。歯磨き粉や、デンタルリンス、ガム、などは一時的に口臭をごまかせても根本的な解決にはならないです。

 (絶対に必要な歯間ブラシの記事はこちらで)

hamigaki8020.hatenablog.jp

 


間違った口臭対策
舌の上に付く 舌苔(ぜったい)は口臭の原因になります。ですが、舌苔を取り除こうと、舌ブラシや舌クリーナーなどで舌を磨く必要はありません。
寝たきりの方や、流動食のみ、口からモノを食べれない、などの人は舌苔が付きやすいのですが、過剰な舌苔がない限りは 舌は磨く必要がないです。
舌を磨きすぎると、舌の粘膜と、味
覚を感じる「味蕾(みらい)」を傷つけ、味覚障害の原因になってしまう可能性があります。
全ての舌苔が悪臭を放つわけではなく、酷い臭いになるのは 舌苔に歯周病菌が含まれている場合に限ります。この歯周病菌は歯から舌に移ってくるので、歯を磨くのが大事なのです。
もうひとつ 舌が臭う原因に唾液の不足があります。
唾液が少なくなる睡眠から目覚めた朝などは口臭が出やすいです(生理的口臭)。ですが、唾液が十分に出ていれば、臭いの原因物質は流されて口臭も少なくなるものです。特に食事は舌を圧倒的に綺麗にします。なので、唾液が少なくなる睡眠から目覚めて、朝食を取らずに出かけるのは 口臭を撒き散らす原因になります。
唾液が少なくなる原因としては、
・睡眠時
・長時間、スマホやPC作業をしていて喋らない
・常に口を開けている
・過緊張
・唾液腺などの病気
・加齢
などがありますが、しっかりと食事を取ったり、ガムを咬むなどで対処できるものです。
また、加齢によって唾液が少ない高齢者でも、ちゃんと歯間ブラシも使って プラークコントロールが出来ている方々の舌苔は少ないですし、口臭もありません。

(歯磨きの概念が変わるプラークコントロールの記事はこちら) 

hamigaki8020.hatenablog.jp


最後に。
・在日外国人の72%が、「日本人は口が臭くて残念」と回答。
・在日外国人の約 4 割が「東京オリンピックに向けて、日本人は口臭を改善するべき!」と回答という調査があります


http://www.oralprotect.jp/pdf/newsrelease151001.pdf

 

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 最近は、歯のホワイトニングも広まってきて、白い歯の人が多くなってきました。歯の矯正治療を受けている人も多いです。あとは、口の中のケアが出来て 口臭にも注意を払えると更にいいです。
口臭ケアは、実際に行うことは 歯周病ケアと全く変わりがありません。口臭がある人は歯周病ケアが全く出来ていなくて、大量の歯周病菌が大量の毒ガスを口の中で産生させているんです。
歯周病は、中高年になるまで症状が出ないので、歯周病ケアには前向きになれない方もいらっしゃいます。ですが、「自分の健康のため」には中々スイッチが入らない人も、「悪臭で他人に迷惑をかけないため」になら歯周病ケアにも力が入るのではないかと期待しています。