予防接種の他に、インフルエンザを劇的に予防する方法!

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【インフルエンザとは】

・インフルエンザは、インフルエンザウィルスが、鼻、咽頭(のど)、気管支に感染することによって起こる上気道の炎症です。

・ウィルスは、細菌と違って単独では増殖できなくて、細胞に感染してから その細胞の中で初めて増殖します。

【インフルエンザの感染を簡単に説明】

・第一段階 インフルエンザウィルスが のど などの粘膜の細胞に侵入


・第二段階 侵入した細胞の中で1個のウィルスが24時間で100万個に増殖

・第三段階 この感染した細胞が壊れて100万個のウィルスが飛び出して、更に新しい細胞に感染


・第四段階 第一から第三段階を繰り返す

【ここからがメインの話です】

予防接種でインフルエンザワクチンを打っていても、インフルエンザにかかる人もいますし、予防接種を受けていなくてもインフルエンザにかからない人がいます。
この差の一つに、口の中の綺麗さ(口腔ケアの違い)が関係していると考えられています。

なぜ、(口腔ケアの違い)がインフルエンザのかかりやすさに関係があるかと言うと、
一部の口の中の細菌が、第一段階(ウィルスの侵入)第三段階(ウィルスの拡散)の手助けをしているからなんです。

・何種類かの口の中の細菌はプロテアーゼという酵素を作り出します。
このプロテアーゼは 口や のどの粘膜を守る層を破壊して 感染しやすくさせるので、第一段階のインフルエンザウィルスが 人間の細胞に侵入するのを手助けします。

・何種類かの口の中の細菌は、ノイラミダーゼという酵素を作り出します。
ノイラミダーゼは 増殖したインフルエンザのウイルスと細胞との結合を切り離し、第三段階細胞からインフルエンザウィルスが飛び出すのを手助けします。

実験室での実験では、口の中の細菌の培養液を加えると 細胞外に放出されたインフルエンザウイルス量は20倍以上にも増加したそうです。
また、口の中の細菌によって タミフルやリレンザといった抗インフルエンザ薬の作用が弱まってしまうこともわかっています。

つまり、インフルエンザは口の中の細菌が多い方が発症しやすく、少なければ発症を予防できるのです。


東京歯科大学の奥田克爾名誉教授(微生物学講座)の研究論文「口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防」
http://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/182/1/105_129.pdf

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歳以上のデイケアに通う在宅介護を受ける高齢者を対象に、秋(9月)から春(3月)に実施した研究の論文によると、

1・歯科衛生士による歯のクリーニング、歯磨きを定期的に実施した高齢者98人中⇒インフルエンザ発症者 1人

2・家族や介護士、自分で歯磨きをした高齢者92人中⇒インフルエンザ発症者 9人
でした。

つまり、歯科衛生士による歯のクリーニング、歯磨きを受けた高齢者の方々は インフルエンザの発症率が1/10に減ったんです。

ここで重要なのは、
・インフルエンザの発症の予防は、単なる歯磨きでは あまり効果がなかった。
・インフルエンザの発症の予防は、歯科衛生士などによるプロによる歯磨きによって予防が出来たというところです。

歯科医師、歯科衛生士などのプロによる口のケアは、口の中やのど(咽頭)の細菌数を大きく減少させるんです。
口の中は 約300~700種類の細菌が生息していて、普通の人(歯磨きが上手くできない人)の口の中には約4000億~1兆もの細菌がすんでいます。
インフルエンザの予防には、この口の中の細菌数を減らすのが必要なんです。


「プロフェッショナル・オーラル・ヘルス・ケアを受けた高齢者の咽頭細菌数の変動」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics1964/34/2/34_2_125/_pdf/-char/ja

徳島大学、浜松医科大学の研究者らが、老人ホームの入所者を対象に 5か月に渡っておこなった
調査では、歯科医師、歯科衛生士などのプロの専門家が徹底した口のケアをした場合、入所者の口の中や のどの細菌数は減り続け、5か月後の細菌数は開始前の1/10までに減少しました。
さらに、急性呼吸器感染症の主たる細菌の一つであるブドウ球菌においては、3か月後からは 検出できないまでに減少させることが出来ました。

の中の細菌数の減少は、インフルエンザの予防だけでなく、肺炎(誤嚥性肺炎)、風邪の予防にもなります。口の中のケアを行うのは、とても大事なんです。

【結論】

インフルエンザは 薬剤耐性ウイルスの問題もあり、ワクチンや薬剤に頼らない 新たな感染予防および重症化の対策が求められています。
歯科医師、歯科衛生士などのプロによる 口のケアは副作用もなく、インフルエンザの予防や 重症化の予防に効果的です。
大事なのは、自分で歯磨きしてるだけでは予防できない
というところです。
トレーニングを受けて よほど歯磨きが上手い人でないかぎり、歯磨きをしても 口の中は磨き残した歯垢や歯石で 細菌がいっぱい(4000億~1兆)なんです。

普通の人が歯磨きしているだけで 口の中の細菌を減らすことは出来ません。

予防接種を受けるなら、そのついでに歯医者に行って 歯のクリーニングを受けると更に安全です。インフルエンザだけでなく、歯周病や、心臓病、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、認知症、etc.、の予防にもなりますし!

 (歯磨きは難しいという話)