長文が苦手な方は↓↓↓
歯、磨いてますよね?
全くお風呂に入らない、シャワーも浴びない人が少ないように、全く歯を磨かない人を探すのって大変だと思うんです。
人類は、歯を清掃する考えを紀元前の頃には もうすでに持ってたみたいで、古代エジプトや帝政ローマの国には もうちゃんと歯磨き粉すらあったらしいです。お釈迦様も木の枝で歯磨きしてたらしいから、ホントに大昔から皆さん歯磨きしてきたんですね。
平安時代の文献には すでに歯磨きの記述があるので、日本人も1000年前の昔から もうずーっと磨いてるんですね♬
なので、現在の高齢者の方々も子供の頃から歯磨きの習慣は当然あったんです。そして、子供の頃からずーっと磨いてきたんです。虫歯にならないように、ずーっと磨いてきたんです。歯が痛くならないように、ずーっと磨いてきたんです。
でも、残念ながら歯と口の健康を保つことが出来なくて、結局は ほとんどの歯が無くなってしまっているんです。
次のグラフは年齢と残っている歯の数の関係を表しています。
(歯数)
(平成23年度 歯科疾患実態調査)
本来、歯の本数は28~32本(親知らずが4本)あるはずなのに、60代で20本割れ、70代で10本割れ、90歳にはとうとう歯が5本になってしまってますよね。
ずーっと磨いていたのに。歯が無くなるのを予防したかった筈なのに。何十年も歯を磨き続けていたのに。
これって、結果は良くなかったと言えますよね!結局、意味なかったですよね!
なぜ、こんなに歯を磨いているのに結果的に歯を失うんでしょう?
答え⇒圧倒的に ちゃんと磨くのが難しいから! です。
たぶん、こう考えてませんか?
そりゃ完璧には磨けないでしょ。ちゃんと磨いたつもりでも少しは磨き残ってるかもね。疲れて磨けないときもあるし。
答え⇒完璧に磨くどころか半分以下の2割ですら磨き取るのって出来ないです! 疲れてなくて、時間も、気力もあるときだって2割も磨けないんです。
またまた大げさに言っちゃって~! っと、なかなか信じてもらえないかもしれませんが本当なんです。ここの意識のギャップが、歯を失うまでケアしないで放っておく原因なのかもしれません。
満員電車のひとつの車両の中で、半分の50%まで磨き取れる人って20人いないと思います。完璧100%パーフェクトに磨ける人は満員電車の全車両の中に1人いるかなぁ?の少なさです。
殆どの歯科医師や歯科衛生士ですら、完璧に磨けと言われたら まず出来ないと思います。
え~~っ! そんなんじゃ誰も磨けないじゃん!
そう! ほんの一握りの歯磨きの天才san以外、誰も完璧には磨けないんです。
次の表を見てください。
20〜30代の「磨き残し」実態|はじめよう!予防歯科|ライオン
これは、歯磨きに自信がある人とイマイチ自信がない人で、磨き残しにほとんど差はなかったよ!っていう表です。というより、両者とも磨けない人ばかりでした!っていう表なんです。
歯磨きに自信があると答えた100人中 完璧に磨き取れてた人は0人。完璧どころか磨き残しを20%以下に出来た人ですら0人なんです。歯磨きに自信があると答えた8割以上の人に、実際は磨き残しが60%以上あって、磨き残し100%(全く磨いていないのと一緒)の人も少なからずいるんです。
とにかく、全員が磨けなかった。ちゃんと歯磨きが出来る人は一人もいなかった!
ってことです。
「百聞は一見にしかず」とも言うので、よかったら一回 自分で染め出してみるといいと思います。
では、なぜこんなに歯を磨くのが難しいんでしょう?
答え⇒歯は球体だから! です。
歯の形なんて普段 意識してないですよね?まあ、色々な形があるくらいの感覚でしょうか?
上の歯の絵を見てください。歯の周囲が曲線で囲まれているのが分かりますか? 歯の形が正方形や長方形ってことは無いですよね?
つまり、歯並びは次の写真のようじゃないってことです。
四角い、立方体や直方体が並んでいるわけじゃ無いんです。
しいて言えば、次の写真のイメージが近いです。
そうそう、こんな感じ。球体が並んでいるイメージを持ってください。
このサッカーボールをブラシで全て完璧に綺麗にしてください! と言われたらどうやります?
上からブラシで磨いても、横から磨いても、ボールの下1/3は綺麗に出来ないですよね?もしボールの下側も綺麗にしたいんだったら、ブラシを下から上に向けませんか?
下から上。
このブラシの面の角度と方向が大事なんです。
更に言うと、単に下からの方向からだけではダメなんです。歯は球体なので左下、正面からの下、右下、それぞれからの方向からハブラシが来ないと、毛先がちゃんと当たらないんです。毛先が当たらないところは当然ながら100%磨き残ります。
ハブラシの毛が触れてないところは絶対に磨けない!
どんなに近くを毛先が通過していても、ブラシでさわれない所は100%残るんです。
(左下)
(正面下)
(右下)
次のは、「斜め上45度の方向からブラシを当てたら歯周ポケットの中まで毛先が入る」という図なんですけど、もうこれね幻想でしかないです。こんなこと偶然にも起きないですって!
だいたいね、ハブラシの毛先が突然こんなにまとまってるって変でしょ?ハブラシが突然こんな形になります? なんかとってもとっても都合のいいイラストなんですよね。
次のイラストもそう!
ポケットの中を綺麗に掃除??
こんな都合のいいこと起きませんって!
無理にやっても入り込まないですって!
もし、仮に入ったとしても毛先が軟すぎて歯垢(プラーク)を取り除くなんて無理です。
入りませんけどね。
勘違いしないでいただきたいのは、このハブラシが良くないとは言ってません。あくまでも、この使い方が ちょっと違うんじゃないの? ってことです。
実際の、普通の人の歯磨きのレベルってこんな感じです。
赤いところは磨き残ってて、全部 歯垢(プラーク)です。
歯と歯肉の境目を見ると、ほとんど磨き残ってますよね。
2番目の写真は一見いいように見えるかもしれませんが、よーく見ると歯肉との境目はやっぱり磨き残っています。
イメージをイラストにするとこんな感じです。
もう、歯周ポケットの中を磨くとかいうレベルの話ではなくて、ポケットの入り口ですら100%残るんですから、「ポケットの中を磨く」なんて本当に夢のような話なんです。
上の絵の歯の周り、グルッと全周に渡って ハブラシの毛先がポケットの中に入り込むなんて、想像だけで有りえないと思いません?
この「斜め上45度の方向からブラシを当てる」のはバス法と呼ばれるんですが、これが提唱されたのは1954年の大昔。しかもその論文は文章だけで、具体的な図示もなかったんです。
だけれども何故か、このバス法が21世紀を過ぎても未だに一人歩きをしてるんですよ。これについては、またいつか書こうと思います。
(書いた)
勘違いしないでいただきたいのは、「斜め上45度の方向からブラシを当てちゃダメ」なんて言ってないですからね!
歯は球体なので、360度(実際は360度は無理ですが..)ありとあるゆる方向からハブラシの毛先を向けてあげないと、触れない部分が出てきて磨き残りますよってことです。
バス法はバス法でやっていいんです。ただ、そのバス法が「一番いい歯磨きの方法で歯周ポケットの中まで綺麗に出来る」ことは無いってことです。
正しい歯の磨き方はバス法だ! バス法だけでOK! これは違うんです。
歯の磨き方のコツは2つです。
・さわってない所は必ず磨き残るのを理解する。
・上手くなるには鏡を見ながら磨く。
・さわってない所は必ず磨き残る
まず、歯を磨く目的は歯垢(プラーク)を落とすことで、食べ残しを取るためではありません。食べ残しは食べ残し、歯垢とは違います。そもそも、食べ残しで歯周病や虫歯が発生するわけではないです。
で、この歯垢は機械的にさわらないと取れないんです。何かで具体的にさわって取る以外に方法はないんです。
・歯磨き粉の泡や その成分、
・デンタルリンスでグチュグチュしたり、
・強い水流をかけたり、
・超音波振動(そんなものあるのか?)を与えたり、
・電気(電子)を流したり?、
そんなことでは全く、ほんのちょっとも取り除けません。
ここ強調します。さわらなかったら全く取れません。全然 無理なんです。
とにかく、ハブラシでもフロス(糸)でも楊枝でもいいから機械的にさわらないとホントに取れない。綿棒でもいいんで さわれるよになりましょう。
テーブルの上を拭くとき、力強く拭くとかは関係なく 具体的に拭けたところだけが綺麗になりますよね。
フローリングに掃除機をかけるときも、掃除機の性能に関係なく、綺麗になるのは掃除機をかけたところだけでしょ?
どんなに近くを拭いたり、掃除をしていても、綺麗になるのは実際にさわれたところだけな筈です。
歯磨きも一緒で、磨き残るのはハブラシの毛先が全く当たってないんです。触れてもないってことです。正しい歯磨きの方法を理解して、練習したことがない人は、歯と歯肉の境目にハブラシの毛先を触れさせることすら出来ないんです。
歯の表側の境目が難しければ、当然 歯の裏側の境目は更に難しいです。歯と歯の間を磨くのは、もっともっと更に難しいです。
・ハブラシの向きと角度で99%決まる。
上手く歯を磨くには、ハブラシの毛先が歯の全ての面に当たらなければなりません。歯は球体なので、 大事なのはハブラシの向きと角度なんです。とにかく、リンゴやメロンのような球体を磨くんだという意識が必要です。
けっして動かし方の意識ではないんです。動かし方も小刻みにとか、叩くようにとか色々ありますが、それはハブラシの面を上手く歯の面に合わせられた後の話で、どんな動かし方をしても、歯に触ってなかったら全然 歯垢が取れないのは当たり前です。
歯に対して、あらゆる角度からハブラシの面が来てほしいんですが、あらゆる角度から磨くためには、ハブラシの持ち方は固定しない方がいいです。
よく正しいハブラシの持ち方としてよくペングリップが挙げられるんですが、ペングリップに拘らずに何でもいいんです。
ハブラシを軽く持ってとか、手首を柔らかくとか、言われるんですが特に気にしないで構いません。もう、ピアノや書道の練習とかと同じなんです。 ひたすら鏡を見て考えながらやって、出来るようになってくると、自然に力が抜けてたり色々な角度を付けれたりしてるものなんです。
・鏡を見ながら磨く
掃除機をかけるとき、テレビを見ながらやってると きっと埃を残す場所がありますよね?テーブルや机の上を拭きたいとき、やはりよそ見をして拭いてたら どこか拭き残りますよね? ましてや、目をつぶってやったら もっと残りますよね?
床やテーブルは平らでしょ? その平らな面でも 見ていなかったらちゃんと綺麗にすることは難しいんです。
歯は球体です。 見ないで磨くのって無謀だと思いませんか?
毎日、毎回でなくてもいいので、歯磨きが上手くなりたかったら、鏡で自分の歯とハブラシの向きをチェックしながら磨かないと進歩しないです。
(前編)の終わりに..。
ハブラシの種類については、また別の機会に書きたいと思っていますが、結論的には、どんなハブラシでも基本的な考えは一緒で、毛先の向きと方向で決まります。
使いやすいハブラシと いまいちなハブラシは確かに存在していて、確かに差はあるんですが、その差より その人の磨く技術の差で決まります。
電動ハブラシでも一緒です。電動ハブラシが悪いわけではないですが、電動ハブラシに魔法があるわけではありません。上手く使えないと100%磨き残ります。
実際、電動ハブラシを使っている方の中には、あまりに電動ハブラシに素晴らしい効果を期待してて、口の中で電動ハブラシをスーっと流しているだけで思いっきり磨き残る人が多いんです。
電動ハブラシはルンバじゃないんで、口の中で 勝手に自動に歯のお掃除をしてくれたりはしません。あくまでも、歯のあちこち全ての面に毛先があたるように、自分の手が活躍する必要があるんです。
ホントに魔法のハブラシは無いんです。魔法は皆さんの腕、手、指、の中にあるんですよ。
ボールペンに、書きやすいボールペンと いまいち滑りが悪いのがありますよね?やっぱり3本100円のボールペンより1本500円の方が書きやすい。確かに そこには圧倒的な書きやすさの差が存在します。
でも、それと字の上手さは関係ないでしょ? 1本500円のボールペンに変えたら字が上手くなったりします? 字が上手い人は100円のボールペンでだって やっぱり上手いですよね?
ハブラシも一緒で、いい(磨きやすいとされている)ハブラシを買ったから、突然に歯磨きが上手くなったりしないんです。電動ハブラシの性能がいいとしても(?) それを使いこなさないと単なる宝の持ち腐れです。猫に小判みたいな...。
あと、ここまで読んでいただいて誠に申し訳ないのですが、電動ハブラシや普通の手用ハブラシが いくら上手く使えるようになっても、次の2つは絶対に必要です。
・歯間ブラシ
・デンタルフロス(糸ようじ)
結局、普通のハブラシをいくら頑張っても限界があって、後は補助用具(歯間ブラシ、フロス)に頼らざるを得ないんですよね。
これらについても、いつか書きます!
(書いた)
で、さらに申し訳ないんですけど、それでもやっぱり究極的には磨き残ってしまうものなので、最後は
歯科医院でクリーニングを受けてください。
僕が、色々な器具や機械を駆使して 歯を綺麗なレベルまで持っていくのに20~30分かかります。僕、この技術は高いです..w。でも、20分は かかるんです。
普通の人が、ハブラシだけで5~10分で完璧に磨くなんて出来る筈ないんですよね。
でも、歯磨きのレベルが高い方がいいのは確かなので、鏡を見ながら是非 頑張ってください。応援しています。
QOL(Quality of Life)向上の一助になれば...。
ではでは。
(シェアして、幸せになって欲しい人や大切な人にも読めるようにしていただけたら幸いです。)