犬歯のストレッチ。犬歯誘導という咬み合わせになっていなかったらご注意!

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堀江氏(ホリエモン)の「健康の結論」に「犬歯のストレッチ」なる言葉が出てきます。理想的な咬み合わせとされている この犬歯誘導という考え方は少し分かりにくいので、前ブログに引き続き解説してみます。

 前ブログを読んでいない方は、先に こちらをどうぞ。

hamigaki8020.hatenablog.jp

 
今回は、幾つかの写真を見て 自分の咬み合わせがどういう状態なのか 興味を持っていただけたら いいなと思っています。

【おさらい】
・顎を左右に動かしたときに、奥歯で歯ぎしりが出来る状態だと そのうち奥歯にひびが入ったり割れたりします。
・犬歯には 奥歯で歯ぎしりが出来ないようにする役目があります(犬歯誘導)

【ケース1】

上の犬歯がすり減って平ら(写真左)になっていたのをレジンで尖らせて(写真右)復活させてます。

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奥歯が歯ぎしりで負担過重になっていた(写真左)のが、犬歯によってすき間が出来て 歯ぎしりが出来ないようになりました(写真右)。

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普通に真っ直ぐに咬むときは 全部の歯でしっかり咬めてます。

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写真をよく見ると、犬歯や隣の小臼歯に すでに縦ひびが入っているのが分かります。

【ケース2】

上の犬歯がすり減って平ら(写真左)になっていたのをレジンで尖らせて(写真右)復活させてます。

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奥歯が歯ぎしりで負担過重になっていた(写真左)のが、犬歯によってすき間が出来て 歯ぎしりが出来ないようになりました(写真右)。

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普通に真っ直ぐに咬むときは全部の歯でしっかり咬めてます。

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この方は 犬歯や隣の小臼歯、さらに前歯にも すでに縦ひびが入っています。

【ケース3】

上の犬歯がすり減って平ら(写真左)になっていたのをレジンで尖らせて(写真右)復活させてます。

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奥歯の上下間の狭いすき間(写真左)が、犬歯によってしっかりとすき間が出来て 歯ぎしりが出来ないようになりました(写真右)。

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普通に真っ直ぐに咬むときは全部の歯でしっかり咬めてます。

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上のケース1,2,3は全員が20代です。

犬歯は9~11才で生え変わるので、20代で まだ10数年しか使っていないのに すでに先端部分がすり減ってしまっています。
この すり減りのため、犬歯誘導(奥歯が保護される咬み合わせ)が無くなってしまっています。
まだ20代なので大きな問題は出ていませんが、このペースで すり減り続けると60才前後で奥歯が大きく割れたりします。
真っ二つに割れてしまうのもよくあり、真っ二つの場合は抜歯になる可能性が高いです。
真っ二つは ある日突然やってきます。真っ二つになると歯がグラグラしますし、神経の部分が露出したりしますので、結構 痛い場合が多いです。

 【ケース4】

前ブログにも書きましたが、犬歯の先端をレジンで復活させるやり方は、全ての歯科医院でポピュラーに行われている訳ではありません。

やった事がない歯科医師からは、「レジンで取れない?」と聞かれます。
これには、患者さんによるとしか答えられませんが結構 大丈夫なものです。
もしレジンが取れたとしても、歯を削って足している訳ではないので、何回でもレジンでまたやり治せばいいと思っています。
どちらにせよ、マウスピース(ナイトガード)はあった方がいいと思っていますし、直ぐに取れてしまう方は マウスピースは必須だと考えています。

 

 下の写真1の犬歯の先端は治してから13年目に入りました。
10年以上大丈夫なケースは幾らでもあります。
わざと、元の犬歯より白い色のレジンで治している部分なのですが、分かりますか?

(写真1)

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この人は、歯と歯の間にすき間がある方で、犬歯と前歯との間にすき間が見えますよね?
実は、前歯の真ん中にも すき間があったので レジンで すき間を埋めています。これも13年目に入っていますが、肉眼的にも問題ないレベルで推移しています。
レジンは 結構 丈夫な材質だと思っています。

 

 (写真2)

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少し正面から見た写真です。この方向からの見た目だと、犬歯と前歯の間の すき間は気にならないと思います。
前歯の真ん中のすき間を埋めているレジンは、13年目でも劣化が無く、埋めたのが 中々分からないと思います。

 

 【もし犬歯誘導の咬み合わせでなかったら?】

・夜 寝るときにマウスピースをしましょう。
 
結局は夜中の歯ぎしりが一番怖いので、これが防げるだけで かなり安心できます。

・犬歯がすり減っていて、レジンを足して改善するなら治した方がいいです。

【最後に】
歯を失う一番の原因は 歯周病 です。
二番目の原因は 歯ぎしりを含む 食いしばり だと思っています。
虫歯だけが原因で抜歯になる例は さほど多くありません。過去に虫歯になって弱くなった歯に 食いしばりの過重な力が加わって、歯が割れて抜歯になる例が多いと思っています。
犬歯誘導だから大丈夫な訳ではありませんが、少なくとも咬み合わせ的には有利です。

基本的に、歯は 爪や髪の毛のように 新しく伸びてこないので 消耗品なんです。
長くなった寿命に対抗するためにも、歯の先端がすり減っていたら レジンで治しておく方が安全です。
少なくとも、レジンが付いている間は 歯はすり減らないのですから。