予防歯科をやる意味って? QOL、健康、費用、全部がwin win !!!

 

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長文が苦手な方は↓↓↓

 

hamigaki8020.hatenablog.jp

 

結局、最後は入れ歯のお世話に!

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厚生労働省は6年に一度 歯科の実態調査をしています。上のグラフは年齢とその年齢のときに何本の歯が残っているかを表したグラフです。
本来、歯は28本以上あるはずなのですが、55歳で25本以下、70歳越えたらもう残りの歯は20本無いんですね。その後、高齢者になると歯の喪失のスピードが急速に上がっていきます。

2011年の歯科疾患実態調査によると、85歳を過ぎた人の残っている歯の平均本数は もう8~9本しかないんです。
口の中に上の歯3本、下の歯5本が残ってるみたいなイメージでいいです。つまり、生きてる途中で20~24本の歯は何等かの理由で失っているんですね。

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平均寿命は今後もどんどん延びる予想ですし、100歳越えも普通になるでしょう。8020運動(80歳のときに20本歯を残せるようにする運動)の80歳が決して人生のゴールではないんです。
現在 女性の平均寿命は87.05歳(平成27年)ですが、女性が生涯を全うするときは、9割の方が入れ歯を入れなければちゃんと咬めない状態で、総入れ歯(歯が1本も無い)の方も少なくないんです。


これって、ちゃんと予防をしていれば ほぼ100%防げたんですよ。本当にもったいないと思いません?

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癌は、喫煙しない方がいいとか、適度な運動習慣があった方がいいとか、予防の方向性が示されてはいますけど 絶対に癌の発症を防ぐのって出来ないですよね。

でも、歯を失うのは100%予防出来るんです!

歯を失う原因は主に下の3つです。
・歯周病
・食い縛って歯を折る(割る)
・虫歯

この中で、歯周病と食い縛りを予防していただけたら まず将来 入れ歯にはならないです。虫歯も もちろん予防した方がいいですけど虫歯だけで入れ歯になるっていうのは、普通はまず無いんです。総入れ歯になるとしたら99.9%歯周病が原因なんです。一番大事なのは歯周病予防、次に食い縛りの予防です。

覚えて欲しいのは、

とにかく、歯周病の予防が肝!

虫歯を予防出来たとしても明るい未来なんて全然やって来ないんです。そもそも虫歯はある程度進行すると痛くなるので、その歯を抜くしかない状態まで持っていくには相当な痛みに耐えなければならないです。

歯を虫歯にしてボロボロになるまで放置するのって、夜 寝れないくらいに痛くても、歯肉が腫れて膿が出ても、歯が割れてザラザラになって舌が痛くなっても、我慢するしかありません。

そして、虫歯は何回も何回も治すチャンスがあるんです。痛くても放置。凄く痛くなっても放置。腫れても放置。取り敢えず応急処置だけしてもらって あと放置。ヤバいな~っと思っても放置。虫歯で総入れ歯になるとすると、全ての歯がボロボロになるまで これらの痛みを我慢しなければなりません。これって中々無いですよね!

それにひきかえ歯周病は殆ど痛くならないんです。ごくたまに重苦しいような痛みが出るときもありますが、大抵は何十年も平気なんです。
痛くならない病気って他にもありますよね。
高血圧、痛くないです。でも、あるとき頭の中の血管が破れたり、心臓近くの大動脈が破裂したりして大騒ぎになるんです。
血糖値が高い、痛くないです。でも、ついに糖尿病を発症させたら さあ大変。そのまま糖尿病が進めば、目は失明、腎臓は摘出で毎週 人口透析、足は切断、です。

歯周病もある日突然 グラッときます。突然、痛くて咬めなくなります。最後は ぽろりと抜け落ちます。そして、そのグラッとくるまでにざっくり40年くらいの月日がかかるので、歯周病で初めて末期の症状が出始めるのは大概60歳以上なんです。

実に40年以上歯周病を放置してないと抜けないんですよ!
でも、多くの人が 最後に残る歯が5本以下になってしまうのは いかに歯周病がケア出来ないかってことです。

 

 

予防歯科のいいところは3つあると思っています。
・幸せな食生活を続けるため
・口の中だけでなく身体の健康のため
・医療費削減を含めた経済面での効果

 


予防歯科をやる意味1。幸せな食生活。

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雑誌『プレジデント』2012年11.12号、シニア1000人調査で判明「リタイア前にやるべきだった....」後悔トップ20という記事で、健康について後悔していることの第1位は、「歯の定期検診を受ければよかった」でした。

「歯が無いと食の楽しみが半減する」 というのは高齢者の実感なんです。日頃、多くのご高齢の方々と接していて、最後の最後まで残るのは『食欲』なんですよね。家族や友人と旅行や食事に行って、何でも食べれる。切れ目を多く入れてもらうとかの自分だけの特別な調理方法をとってもらわなくて大丈夫。回転寿司に行って好きなお皿を選べる。ファミレスに行って
これは咬み切れるか?とかの観点でメニューを選ばなくていい。

こういう還暦以下の世代には当たり前のことが、歯が無いと出来なくなるんです。逆に80歳越えても何不自由なく食事が出来る方々は「いい歯を持っている!」という優越感を感じれるんです。


「僕の周りの人は もうみんな歯が無くなっちゃってね~。〇〇さん いいなぁってよく言われるんですよ!」
「ほんっとに幸せ、何っでも食べれます!」
「この前、いい入れ歯してるな~って言われちゃって おいおい全部自分の歯だよ!って言ったら驚かれましたよ!」(ホワイトニングもしてて歯が白いので 入れ歯と勘違いされたらしいです)
と仰るご高齢の方々は、皆さん元気で足腰もしっかりなさってます。

 

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社会保障制度改革国民会議提出資料 2013年

「いい歯のお年寄り 8020コンクールアンケート」によると、80歳で歯が20本以上残っている人のほうが、歯が少ない人より日常の生活行動を「楽しい」と感じているそうです。

歯が少ない人は外出の機会が減り、家でテレビを見てることが多いんです。いつまでも元気に、楽しく過ごすためには、できるだけ自分の歯を残すことが大事なんです。


予防歯科をやる意味2。健康な生活。

聖路加国際病院理事長の日野原重明先は、歯の健康を保つことこそ長寿の秘訣だと話しています。

*残った歯の数と認知症発症の関係図

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歯が少ない方が認知症を発症する人が多い。

東北大学が行った研究から、残っている歯が少ないほど、記憶や学習能力に関わる海馬や、意志や思考の機能を司る前頭葉の容積などが少なくなっていた事がわかりました。歯が無くなると、脳が刺激されなくなり、脳の働きに影響を与えてしまうらしいです

広島大学は、よく噛んで食べる事ができなければ、中枢神経が刺激される事も少なくなり、アルツハイマー型認知症を引き起こしてしまう確率が高くなると発表しています。


歯が残って認知症にならないで済めば、本人はもとより周りの家族の負担も無くなりますし、現在 人数が足りなくて困っている介護職員やホームヘルパーの充足も出来るようになるかもしれません。

残った歯が多いほど寿命は延びる


日本歯科医師会が発表した「健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス2015」によると、残った歯の数が少ない人ほど寿命が短くなることが明らかになっています。(65歳以上の日本人2万人以上を対象とした4年間の調査)。死亡率は、残存20歯以上の人に比べて、10~19歯の人で1.3倍、0~9歯の人で1.7倍に上昇しました。

 

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 また、残ってる歯が19歯以下の人は、20歯以上の人と比較して要介護認定を受ける割合が1.2倍に上昇し、要介護状態になる危険性が高いことが分かっています。


ところで、健康寿命という言葉を聞いたことがありますか?

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健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されず生活できる期間のことです。要は医療・介護に依存しないで、自立した生活が出来てるってことです。歯周病で歯が少なくなった人の方が この健康寿命が短いんです。

誰もが最後まで、健康で生き生きとした生活を送りたいと思っていますよね! 健康寿命を延ばしましょう。
とにかく、予防出来るものを予防しておかないと認知症になって、寝たきりになって、寿命も短くなるんです。口の中の問題や全身の問題で「痛い」とか「苦しい」とか「辛い」とかが減る方がいいでしょ?

 

 

歯周病が全身に及ぼす影響




 

 歯周病がある人の方が糖尿病を発症しやすくなったり、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、肺炎、などを起こす確率が高いことが分かっています。また妊婦の場合は低体重児出産や早産の確率が高くなるとのアメリカでの発表もあるんです。

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 予防歯科をやる意味3。日本経済の為。


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これは日本の各年度の総医療費です。平成27年度は一年間に約41.5兆円かかってますね。これに、介護費用がさらに約10兆円かかります。両方で年間に50兆円以上必要なんです。
50兆円ですよ!
しかも1年間に!
当然、毎年 毎年 必要な額です!
医療費だけの伸びをみても、5年前から比べると年間にして約5兆円余計に増えているんです。そして、これは更に伸びる予想になっていて、東京オリンピックの2020年には47.2兆円、2025年には52.3兆円が国民医療費として年間に必要なんです。

つまり、毎年毎年 年間に必要な額が1兆円づつ増える計算ですね。

念のために書いておくと、この国民医療費は保険診療を対象とした費用を推計したものなので、保険診療の対象とならない先進医療や高度医療は含まれません。健康診断、予防接種とかの費用も対象外です。薬屋さんで買う一般薬の費用も関係ありません。歯科のインプラントや一部のセラミック治療なども対象外なんです。ですから本当の総医療費はもっともっと多いんです。

これって何とか抑制できたらいいと思いません?
将来分を毎年1割減らせるだけでざっくり毎年5兆円が浮きます。毎年オリンピックが開催出来るだけのお金が浮くんです!


この医療費抑制ですが、メタボや喫煙習慣を止めて「生活習慣病予防」をするとかの運動が実行されていますけど、歯のケアによっても医療費って下げられるんです。

幾つかのグラフを見てください。

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香川県国民健康保険組合は、65歳以上で20本以上歯が残っている人は、そうでない人に比べて、全身にかかる年間の医療費が11万5千円安く済むと発表しています。
残った歯が多い人の方が健康に過ごせるので、医療費が安く済むってことです。

 

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これも 細かい数字はどうでもいいですけど、各県でも同様のデータが出ているのが大事です。やっぱり歯が多い方が医療費は安く済むんです。

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(北海道国民健康保険団体連合会)

しつこいけど、これも一緒。歯が多ければ安くて、歯が少なければ医療費はかかるよ~ってグラフです。

国民医療費全体のうち、「脳梗塞」では約1兆円。「心筋梗塞」で入院すると医療費が約200~400万円かかります。糖尿病で「人工透析」になると 年間の医療費は約500万円です。

歯周病を治療・予防することは 糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞の人を減らすので当然 医療費は安くなりますよね。


また、認知症の人の医療・介護費と家族の介護負担の総額は、社会全体で10兆円を超すと見られています。多くの高齢者が歯の数を保つことは、認知症や寝たきりの人を減らすので介護費用の抑制もできるんです。


現在、幾つもの企業が「予防歯科」に積極的に取り組んでいて、その結果、歯に関する医療費だけでなく、普通の医療費まで削減されたというデータを発表しています。

歯科検診を実施しているある事業所では 医療費が5年間で最大で23%も減少したり、現役世代の年間医療費においても 歯周病のあるなしで2万円以上の差が生まれています。

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次のグラフは日本IBM健康保険組合の歯科予防プログラムの収支です。「予防歯科」プログラムを2004年から取り入れていて、歯科にかかる医療費削減に成功しました。プログラムをスタートさせて8年目の2011年医療費抑制の累積額がそれまでに投じた総コストを約3200万円上まわっています。その上、口臭が改善されて労働生産性が向上にもつながったというデータが出ています。

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野村総研の調べによると、歯を定期的にケアする人はケアしない人と比べて、生涯に支払う医療費が約5分の1で済み、30年間で約500万円安くなるそうです。

 


ちょっと話は脱線しますけど、いくら何十兆円の医療費を毎年毎年使っても、将来には何も残らないですよね。いくら医療費をつぎ込んでも、現在 生きている人はたぶん100年以内にはいなくなっちゃいます。100年後や1000年後の人達の為に、医療費や介護費用の何割かが必要なくなって、その分の余ったお金で、エジプトのピラミッドやローマのコロセウム、パリの凱旋門、みたいな世界遺産が残った方がいいと思いません?国立競技場も50年ちょっとしかもたないモノじゃなくて、凄いモノを建てちゃって200年も経てば間違いなく世界遺産認定ですって。



まとめ。

予防歯科をすることで
・何でも食べれて人生の質が上がります。
・寿命だけでなく健康寿命も延びます。介護の必要性も減ります。
・医療費や介護費用が抑制され、個人も企業も国も超Happy♬

ホント、やるしかないでしょ?
自分自身だけの為じゃなくて、家族の為、国民の為にもなるんですから!!


QOL(Quality of Life)向上の一助になれば...。

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