歯のホワイトニングには2つの方法があります。歯科医院で行うオフィスホワイトニングと自宅で自分で行うホームホワイトニングです。
(セルフホワイトニングとかは、歯のクリーニングなので 実際に歯が白くなる訳ではありませんので除きます)
長年、歯のホワイトニングに携わってきた歯科医師の意見として、個人的には圧倒的にホームホワイトニングをお勧めします。一度で白くなるホワイトニングが良いホワイトニングではないです。
(ホームホワイトニングでも歯科医院によってやり方、ノウハウが違うので全て同じ結果になる訳ではないのはご理解ください)
・ホームホワイトニングをお勧めする理由
1. 白さが年単位で長持ちします
2. 歯の内部までしっかりと白くなります(なので白さが長く続く)
3. 白くなった歯の白さが自然な白さで、人工物っぽい白になりません
4. 知覚過敏がほとんど出ないです
5. マウスピースを使うので、食いしばり、歯ぎしりで歯が壊れるのを防止できます
6. 使用するホワイトニングジェルには殺菌作用があるので、歯垢中の細菌増殖を抑制し虫歯や歯肉炎の抑制に効果があります
7. コストパフォーマンスに優れています
1. 白さが年単位で長持ちします
写真は上の歯だけを何年か前にホワイトニングして その後はクリーニングだけしているケースです。下の歯は天然のままなので、上下の歯の白さの違いを見てください
ホワイトニング後、4年が経過しています。ピーク時も白さよりやや色落ちしていますが、まだ白さはキープされています
ホワイトニング後、3年が経過しています。まだ白さはキープされています
ホワイトニング後、4年が経過しています。まだ白さはキープされています
2. 歯の内部までしっかりと白くなります(なので白さが長く続く)
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの違いを説明します
オフィスホワイトニング
強い薬剤で短い時間 効かせます
強い高濃度の薬剤で、エナメル質表面の性状を変えて、外から入ってきた光がエナメル質の表面で乱反射するマスキングという効果で歯を白くみせています
簡単に言うと、透明なガラスの表面を細かくザラザラにして くもりガラスにして白く見せている感じです
ホワイトニングジェルが作用している時間が短いので、歯のエナメル質の内部の着色を分解するのは難しいです。
また、歯の表面は常に脱灰と再石灰化(溶けたり、元に戻ったり)を繰り返しているのでオフィスホワイトニングでエナメル質の表面をくもりガラス状態にしても段々と元に戻ってしまいます。これがオフィスホワイトニングの効果が長続きしない理由です。
ホームホワイトニング
弱い薬剤で長い時間 効かせます
弱い低濃度の薬剤なので、歯のエナメル質の表面の性状を変える力は弱いです(くもりガラス状態にならない←メリット)
長い時間をかけて歯の内部から漂白していきます。そのため、自然な白さになるだけでなく、後戻りしにくくなります。歯の内部から発生する黄ばみに特に効果があります。
ホワイトニングの概念図
ホワイトニング前。歯の内部に着色があり歯が黄色く見えている
オフィスホワイトニング。歯の表面をくもりガラス状態にして内部の色を隠している
ホームホワイトニング。表面はそのままで内部の着色を分解して漂白して白く見せている
3. 白くなった歯の白さが自然な白さで、人工物っぽい白になりません
オフィスホワイトニングは歯の表面をくもりガラス状態にして歯を白く見せるため、出来上がりがマットなチョークっぽい感じになることが多いです。この人工的な感じが好きな人もいらっしゃいますが、あまり綺麗と思っていない歯科医師は多いです。裏の表現ですがトイレットカラーと呼ばれることもあります
ですが、アメリカ人はこの色が好きな人も多いみたいです
この お2人はセラミックかもしれませんが、
次の女性2人は とても自然な白い歯をしています
4. 知覚過敏がほとんど出ないです
ホームホワイトニングは薬剤が弱く低濃度なので、歯への作用がマイルドで知覚過敏が出にくいです
5. マウスピースを使うので、食いしばり、歯ぎしりで歯が壊れるのを防止できます
多くの人は食いしばりや歯ぎしりをしていて、60歳を越えたあたりから歯を破折させてしまいます。ホワイトニング関係なくマウスピースはした方がいいです
6. 使用するホワイトニングジェルには殺菌作用があるので、歯垢中の細菌増殖を抑制し虫歯や歯肉炎の抑制に効果があります
使用するホワイトニングジェルには殺菌作用があり、更に他の抗菌剤と違って耐性菌も出現しないので、繰り返しの使用が可能で、ホームホワイトニングジェルによる殺菌処理は非常に有用です。これにより、歯垢中の細菌増殖が抑制されるので 虫歯や歯肉炎の抑制に効果があります
7. コストパフォーマンスに優れています
元々、ホームホワイトニングの方がオフィスホワイトニングより値段が安く設定されている場合が多いです。ホームホワイトニングの完了後は、白さが後戻りしにくいので年単位で白さをキープ出来ますし、もう少し白くしたいときも ホワイトニングジェルを足せばいいだけで マウスピースの再制作も必要ないため とても安価で済みます
それに対して、オフィスホワイトニングは白さをキープするために 繰り返しホワイトニングを行う必要があります
8.デュアルホワイトニングについて
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの両方を行うデュアルホワイトニングというものがあります。オフィスホワイトニングによって歯の表面をくもりガラス状態にして、ホームホワイトニングによって歯の内部も白くする方法です。
ホームホワイトニングを行うにあたって、更に直ぐにも歯を白くしたい場合は便利です。ですが、これのオフィスホワイトニングの部分は何か月かで後戻りするため、結局はホームホワイトニングと同じ効果になります。メリットとしては、
・直ぐに歯が白く見える
・効果が最大に現れる期間中は とても白い歯になります
デメリットは
・デュアル特有の効果は何か月かで無くなります
・透明感のない、マットな白さになりやすいです
・とにかく高い
概念図
ホワイトニング前
オフィスホワイトニング後
ホームホワイトニング後
デュアルホワイトニング後
デュアルホワイトニングの何か月か後
(結局ホームホワイトニング後と同じになります)
デュアルホワイトニングの概念グラフ
・ホームホワイトニングがお勧め
直ぐに、今日明日にでも歯を白くしなければならない方 以外にはホームホワイトニングがお勧めです。費用が安い、自然な綺麗な白さ、白さの長続き、などなどメリットがいっぱいです。更に、ホームホワイトニングのメリットは手軽さだけでなく、自分の望む白さまで好きなだけホワイトニングできることです。実際、ホームホワイトニングを続けるとオフィスホワイトニングよりも白い歯を目指すことができます。
最後にもういちど、
(ホームホワイトニングでも歯科医院によってやり方、ノウハウが違うので全て同じ結果になる訳ではないのはご理解ください)