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時間がなくて、簡単に聞きたい人への予防歯科の話。 - hamigaki8020’s blog
歯の磨き方のコツは2つです。
・さわってない所は必ず磨き残るのを理解する。
・上手くなるには鏡を見ながら磨く。
(少し、前編と被ります)
あと、歯磨き粉(ペースト)は使ってください。
・さわってない所は必ず磨き残る
まず、歯を磨く目的は歯垢(プラーク)を落とすことで、食べ残しを取るためではないんです。食べ残しは食べ残し、歯垢とは違います。
歯垢は、ほとんどが細菌の塊で、歯垢1g中に約1000億匹の細菌がいます。1mg(1/1000g)に約1億匹ですね。そして、1匹が24時間で約10000倍に増殖します。
食べ残しで歯周病や虫歯が発生するわけではないんです。
下の動画は 歯垢の顕微鏡画像です。歯垢中には約300~500種類の細菌がいます。これ、早回しはしていないんです。結構な速さで動き回る細菌もいますよね。
食べ物は関係ないです。トマトやブロッコリー、肉や魚って感じじゃないでしょ? カレーやラーメンって感じでも無いですよね。
歯垢は細菌なんです!
そして、この歯垢は機械的にさわらないと取れないんです。何かで具体的にさわって取る以外に方法はないんです。
・歯磨き粉の泡や その成分、
・デンタルリンスでグチュグチュしたり、
・強い水流をかけたり、
・超音波振動(そんなものあるのか?)を与えたり、
・電気(電子)を流したり?、
そんなことでは全く、ほんのちょっとも取り除けません。
歯垢は細菌の集合体ですが、さらに、細菌が自ら作り出したヌルヌルベトベトした多糖類で覆われています。このバイオフィルムと呼ばれる多糖類がバリアとなって、機械的に擦る以外に歯垢を取り除くのを困難にしているんです。
イメージで言えば、鏡やガラスにバターやマーガリンを塗りたくった感じです。洗剤をかけただけで、全く触れなかったらバターやマーガリンって取れないですよね?
なめこのヌルヌル(糖タンパク)も近い感じです。お味噌汁に入れてグツグツしても取れないでしょ?
ここ強調します。さわらなかったら全く、ホントに無理なんです。取れません!
とにかく、ハブラシでもフロス(糸)でも楊枝でもいいから機械的にさわらないと取れないので、綿棒でもいいんでさわれるようになりましょう。
テーブルの上を拭くとき、力強く拭くとかは関係なく 実際に拭けたところだけが綺麗になりますよね。フローリングに掃除機をかけるときも、掃除機の性能に関係なく、綺麗になるのは掃除機をかけたところだけでしょ?
どんなに近くを拭いたり、掃除をしていても、綺麗になるのは実際にさわれたところだけな筈です。
歯磨きも一緒で、磨き残るのはハブラシの毛先が全く当たってないんです。触れてもないってことです。正しい歯磨きの方法を理解して、練習したことがない人は、歯と歯肉の境目にハブラシを触れさせることすら出来ないんです。
歯の表側の歯と歯肉の境目が難しければ、当然 歯の裏側の境目は更に難しいです。歯と歯の間に毛先を当てるのは、もっともっと更に難しいです。
下の写真で赤いところは全部 歯垢です。細菌がウヨウヨしてるんです。
歯肉より上の部分が磨き残っているので、歯肉の中(歯周ポケットの中)が磨けている筈ないですよね。
(10代の子だと、ほぼ全員こんなレベルです)
・鏡を見ながら磨く
掃除機をかけるとき、テレビを見ながらやると たぶん埃を残す場所がありますよね?テーブルや机の上を拭きたいとき、やはりよそ見をして拭いてたら どこか拭き残りますよね? 目をつぶって掃除機や、目をつぶって拭くのは もっと残りますよね?
床やテーブルは平らでしょ? その平らな面でも 見ていなかったらちゃんと綺麗にすることは難しいんです。
歯は球体なんです。 見ないで磨くのって無謀だと思いません?
自分の口の中に何本の歯があるか答えられますか? たぶん、すぐには分からないです。 何本あるかも分からないのに、見もせずにハブラシを突っ込んでテキトーにゴシゴシやって、ちゃんと磨き取れるなんて無理だと思いません?
男性がヒゲを剃るとき、鏡を見ないで剃ると 剃り残すところがあります。ちゃんとヒゲを剃るなら、鏡を見ますよね。
上手くなるには見るのが早道なんです。見なければ まず無理だと思います。書道の練習をテレビを見ながらしても なかなか上達しないでしょ?
歯を磨くのを上手くなろうと思って鏡を見ると、こうしようああしようという発想が湧くんです。 ハブラシの向きや方向は見ないと感じを掴めません。ハブラシの持ち方も全くの自由というか、色々な持ち方をした方がやりやすいですし、歯の部位によっては利き手と反対の手を使う方がやりやすいです。
皮膚と違って歯の表面には感覚がないですから、見ないとどこを磨いているのか掴みにくいはずです。
鏡は手鏡でも壁に架かっている鏡でも構いません。できれば、明るい光があればもっといいです。
歯の磨き方
歯並びのイメージです。リンゴが14個あります。
このリンゴの表面を全部 綺麗にしてください。
上の2枚の写真では下側1/3は磨けません。
下から上に毛先を向けた方が ちゃんと当たります。
これでも構いません。
さらに、
球体が並んでいるので、
リンゴの間は正面からの角度では磨けません。なので、
左下から上や、右下から上の向きが必要です。
あらゆる方向からハブラシの毛先が向かないと、リンゴの全部の表面を磨くことは出来ないんです。
そして残念なことに、ハブラシだけで全部を綺麗にするのは無理なので歯間ブラシやデンタルフロス(糸ようじ)も使う必要があるんです。
ハブラシの動かし方より、まずは角度と方向です。角度と方向が違っていれば、リンゴに毛先が触れることすら出来ないので、ハブラシを小刻みに動かそうが、音波振動させようが、結局 綺麗に出来なくで磨き残るんです。
ハブラシの動かし方。
ハブラシの動かし方は、
・小刻みに動かす
・叩くように動かす
など色々なバリエーションがあるんですが、
・ハブラシの毛の柔らかさ、密度
・ハブラシの形、大きさ
などによって、やりやすい方法が異なるので一概に「コレ」というのが無いと思ってください。そのハブラシにあった動かし方を、鏡を見ながら練習して習得するしかありません。
一つの方法のアドバイスとして、毛先で擦るだけじゃなくて、毛先を差し込む感じがあるといいです。
次のGIF(動画)を見てイメージが湧きますか?
分かりにくいですが、ブラシは下から45度 上の方向に向いてます。そして、ハブラシの下側1列の毛先を使っています。
これは、正面から歯の面にアプローチしていますね。
ハブラシの先端の角の毛先を使って、右下や左下から45度 上方向の角度で叩くように毛先を差し込んでいます。
とにかく、難しい。
言葉や写真、動画だけで歯磨きのテクニックを掴むのは難しいです。ですが、基本的な角度と方向、ハブラシの動き方などは理解できると思います。本日のブログを読んで、すぐに出来る人はかなり器用です。
テニスやゴルフは、ちょっとネットで情報を得たからといって すぐに上達はしないですよね。
ピアノやギターの弾き方を YouTubeで一回見ても即座に上手くなったりはしないですよね。
ボールペンの字や書道も 一回習ったところで すぐには上手い字が書けないですよね。
鏡を見て、どうやったら磨き残さないのか、考えながら練習してください。ピアノや書道は毎日 練習しないかもしれません。ですが、歯磨きは毎日するでしょ? そう、歯磨きは 毎日 練習できるんです。
頑張ってください。応援しています。
おまけ。
「つねによい目的を見失わずに、努力を続ける限り、最後には必ず救われる」
(ゲーテ)
QOL(Quality of Life)向上の一助になれば...。
ではでは。
(シェアして、幸せになって欲しい人や大切な人にも読めるようにしていただけたら幸いです。)